97年

年末の事件以降、いろいろ心配をしたが、それは取り越し苦労の面が大きかったようだ。元々、わたしたちの不注意から起きた事故だったので、そのへんを気をつけなくては!とは思いつつも、日がたつにつれて、そんな決意もだんだん薄れ、困った時のロージー頼み状態で、ロージーに子守りをお願いしてしまうことが次第に多くなっていった。

春先のある夜、またしても事件が起こった。突然のワンッ!と言う声の直後にあーちゃんの泣き声。前回同様わたしは家事をし、夫はテレビを見ている時だった。今回は、ロージーが疲れて犬舎の中で大事なおもちゃを持って眠りはじめた時、あーちゃんが犬舎に入って行ってしまったからだった。指と指の間に犬歯があたったようだ。あまりに痛がるのでパニック状態に陥ったわたしたちは、夜間診療してくれる病院を見つけて、すぐさま向かった。

先生「どうしました?」

わたし「犬に噛まれました。」

先生「どこの犬かわかります?」

わたし「自宅の犬です」

先生「???。自分の家の犬に噛まれたの?狂犬病の予防注射は?」

わたし「はい、してあります。」(この時は、はずかしかった・・・)

先生「(傷口を見て)あ〜、これは場所的にも痛いね−。まっ、小型犬でよかった。」

わたし「???。あの〜・・・大きい犬ですが・・・」

先生、看護婦さん「えっ!?そうなの?よくこんな傷で済んだねー。念のため数日は近くの病院で毎日消毒してもらってください。」

血を見た時は、びっくりしたが大したことはなかった。これが、あーちゃんがロージーにかまれた傷では一番ひどかった傷だった。歯型がなんとなくつき、犬歯が当たったところから出血した。家に帰るとさっき散々怒られたロージーがしょんぼりして犬舎の中からわたしたちの様子を伺っていた。

その後も、あーちゃんはロージーの逃げ場を失うようなことをして、何度となく事件は起きたが、そのうちロージーのほうも慣れてきたのか、何をされても諦め顔をしていることが多くなっていった。