会の方針など(代表者・尾崎行正談)

 

自分達の見たい物を上演する

この鑑賞会の基本方針は明確で、わざわざ自分達で手がけなくても他会で見られる演目や配役は、チケットを買って見に行けば良いわけですから、どうしても自分達でプロデュースしないと見られないもの、という考えが常に基本に有ります。営利団体でではありませんから、会を無事運営していくのは大変な事で、いつも贅沢なプログラムを目指すので、満席近くなっても赤字が出ている場合も少なくありません。そうまでしてでも主催したい会!という事で、手前みそに成りますが、毎回、「絶対、二度とは見られないプログラム」、という自負のもと開催させて頂いております。この会の発足第1回は、今は橋岡會で活躍され、当会でも地頭をお願いしている荒木亮師がプロデューサーで、当時学生だったわけですが、「とにかく最高の演者、配役による能、狂言を!」という所から出発しています。今見ても、凄まじい豪華プログラムですが、そのような豪華な内容であってこそ、例えば、初めて能を見るといった初心者にとっても面白いはずだ、という考えなんですね。

 

橋岡久馬師の事

現在、当会は、もっぱら橋岡久馬師の能を毎回上演していますが、いろいろな意味で、かけがえのない天才役者だと思います。何より、一番の能に取り組む姿勢の丁寧さが凄くて、何度も稽古能をしたり、師の演能が一番ごとに話題になるのは当然だと思います。もっとも、当会としては、他の演者の方の能を一切取り上げない、という気持ちはなくて、「公演記録」を見て頂ければ分かるように、当会は、第1回は喜多流、第2回は金剛流の能から始まっているんです。

 

省略のないヴァージョン

会の方針として、省略のないヴァージョン、特に囃子事の省略をしない、という点は守っていきたい考えです。特に、登場楽「一声(いっせい)」の「越ノ段(こしのだん)」などは、魅力ある音楽なのに、略されるの方が普通になってしまっていますから、「この会だけは、絶対略さない」という方針の会も大切だと思っています。もともと、「省略しない」という考え方は、橋岡久馬師から学びましたが、「橋岡會」「久習會」などで、この方針を貫いておられるのは、本当に偉大な事だと重います。

 

秘曲・稀曲の上演

公演記録の中で、例えば、第2回の「蘭曲一調」、第3回の一管「双調神楽」、第4回の「脇謡一調」、そして何より第12回の「翁」の「打掛り」の上演などは、特に当会の特色の出た選曲と自負しておりまして、今後も、色々面白いプログラムを考えて行きたいと思っています。

 

狂言の魅力

当会は、狂言を大変大切に考えている会です。特に、囃子の入る狂言は、上演されにくいので、今後ともどんどん取り上げていくつもりです。

 

地方の囃子方

当会では、地方から囃子方をゲストに招くという形が多いのですが、今後も続けていく方針です。東京の囃子方と組み合わさる事によって、一種独特な緊張感が生まれるように感じています。最近でも、福岡から白坂信行師(高安流大鼓)、広島から横山貴俊師(幸流小鼓)、神戸から成田達志師(幸流小鼓)、大阪から辻芳昭師(大倉流大鼓)、名古屋から鬼頭喜太郎師(観世左吉流太鼓)などをお招きして、好評を頂きましたが、本当に素晴らしい至芸の方々と思っています。

 

解説パンフレット

当日の解説パンフレットは、「何の予備知識がない初心者の方にも分かるように書く」という、結構難しい課題に毎回挑戦しています。ちょっと文章が長くなりすぎの恨みはあるのですが、不要な方は読まなければ良いわけですから、なるべく初心者の方を照準に合わせていこうと思っています。出来れば、このホームページ上で、公演前に公開したいとも考えますが、いつも書き上がるのが公演前日ギリギリなので、うまく行く保証はありませんが。

 

御意見を

皆様からの、様々なリクエストや御意見を伺っていきたいと考えていますので、どうぞ、末長くよろしくお願い申し上げます。

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