教会教育講座2005

聖書は何を語るか より)

シリーズ5の2回目をupします。聖書は、今の自分にもっともふさわしいものを語りかけてくれると思います。
今日のテーマ“選び”についても、下の組み立てと正反対の組み立てがきれいにできるのもまた、聖書ではないでしょうか。
試みられてはいかがかと思います。
今の自分が生きるのに最もふさわしいものを捜し求める豊かさを聖書から学んでいきたいと思います。

2.旧約聖書の中心テーマ2 ―選び―

A.旧約聖書のメッセージの特徴

      契約・選び・残りの者・低きに降る神

                        の四点が考えられる。

B.“選び”の難しさ

 1)選ばれるということはその対極に選ばれない者がいるということ。

 2)神の御心を常に探っていないと、間違った優越感、そしてそれをあたか
   糊塗するかのような表面的な謙遜さ柔和さなどの偽善的な態度、行
動に陥りやすい。

  3)一方、選びを差別ととらえ、神は全ての者が救われることを望んでおられるから
   全ての者が選ばれているという考え方。

    ⇒聖書の全体像を考えた上での聖書理解から言うと無理があるのではないか。

聖書は全てに丁寧に答えられている。

C.“選びの思想”

 1)“選び”の原点:申命記(7:615)

・すべての民の中からあなたを選ばれた。

・あなたたちが数が多かったからではない。

・あなたたちは他のどの民よりも貧弱であった。

・ただ、主の愛のゆえ、先祖に誓われた誓いをまもられたゆえ。

・主が神であり、信頼すべき神であることを知れ。

・主を愛し、戒めを守る者には千代にわたって契約を守り、慈しみを注ぐ。

・否む者にはめいめいに報いて滅ぼされる。

主の祝福の約束 ←→ 契約を守る者

 2)“選び”は特権意識を産み出すものではない
   むしろ
「神による選び」は、人間に深い責任を問うもの。

          イスラエルの人々よ

          主がお前たちに告げられた言葉を聞け。

          ――わたしがエジプトの地から導き上った

              全部族に対してーー

          地上の全部族の中からわたしが選んだのは

          お前たちだけだ。

          それゆえ、わたしはお前たちを

          すべての罪のゆえに罰する。

                                  アモス3:1,2

                選ばれているがゆえに、かえって他の諸民族よりも厳しく神の前で
      責任を問われるというのがアモスの主張。

  新約では

 3)“選び”は“招き(invitation)”ではない。:マタイ(22:1-14

   ・王は家来たちを送って婚宴に招いておいた人々を呼ばせたが、来ようとしなかった。

   別の家来を使いに出したが

   自己都合で来ようとしなかった。

   家来たちを捕まえて乱暴し、殺してしまった。

     王は軍隊を送り、人殺しどもを滅ぼし、その町を焼き払った。

   見かけたものはだれでも婚宴に連れて来なさい。

   善人も悪人も皆集めてきたので、婚宴は客でいっぱいになった。

          婚礼の礼服を着ていないものが一人いた。

          王は、この男の手足を縛って「外の暗闇にほうり出せ」と言った。

          婚礼の礼服:ガラテヤ(3:26-29) バプテスマ

            招かれる人は多いが、選ばれる人は少ない。

 4)選ばれた者の行い:コロサイ(3:12-17)

    選ばれた者が行なうよう求められていること 

          ・真の意味での憐れみの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身に着けること。

       ・忍び合い、赦し合い、愛を身に着けなさい。

       ・キリストの平和が心を支配するようにしなさい。

       ・いつも感謝していなさい。

       ・キリストの言葉が自らの内に豊かに宿るようにしなさい。

       ・知恵を尽くし、互いに教え、諭し合いなさい。

       ・詩編と賛歌と霊的な歌により、感謝して神をほめたたえなさい。

       ・話すこと、行なうこと、すべてを主イエスの名によって行ないなさい。

       ・イエスによって、父である神に感謝しなさい。

 5)選ばれた者への祝福:黙示録(1:14)

   この者どもは子羊と戦うが、子羊は主の主、王の王だから、彼らに打ち勝つ。
   子羊と共にいる者、召された者、選ばれた者、忠実な者たちもまた、勝利を収める。

 6)森孝一著「宗教からよむ『アメリカ』」によれば、アメリカにおける最初のバプテスト教会を
  プロビデンスに立ち上げたロジャー・ウィリアムスは当時、「現代における選ばれた民
  (
New Israel)を自認していたマサチューセッツ湾植民地の正統教会を批判し、
  「新しいイスラエル」としての「真の教会」は終末において実現するものであるとの
  立場をとった。
  彼は植民地から追放され、14週間、雪深いニューイングランドをさまよい、ネイティブの
  助けによりロード・アイランドにプロビデンスの待ちを作り、
アメリカにおける最初の
  バプテスト教会をプロビデンスに立ち上げた。
  今日、普遍的なものと理解されている政教分離・信教の自由などもそのルーツたどれば
  ここに行き着くのではないでしょうか。



(文責 日本基督教団 原町田教会 教会教育講座担当 信徒 澤野 國雄)


次回は旧約聖書の中心テーマ3−残りの者― です。


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